さて、今回は初診で説明されたリスク(同意書)の内容を公開します。
初診の様子は前回の記事をご覧ください。
キレイライン矯正にはたくさんのリスクがあるので、検討中の方は参考にしてみて下さい。
矯正歯科治療装置装着のリスク
装置を装着することによりプラークがたまりやすくなり、口腔内細菌叢(こうくうないさいきんそう)が変化することがあります。
そのため、虫歯や歯肉炎、歯周病のリスクが高まります。
プラーク:歯垢のこと。歯表面や歯と歯ぐきの境目、歯間に付着している、白いネバネバしたかたまり。
口腔内細菌叢:口内フローラ。口腔内に存在するいろんな細菌の集まりのこと。
歯の健康維持のため定期的なクリーニングと適切な口腔内ケアを行って下さい。
ブラックトライアングルについて
骨や歯の元来の形状により、歯列を整えるとブラックトライアングルが生じることがあります。
また、歯根吸収、歯肉退縮のリスクがあります。
歯根吸収:歯根部分の歯質が溶けて抜けやすくなってしまうこと。
歯肉退縮:歯の周りの組織がすり減り、歯根が露出した状態のこと。
場合により歯の色が変化し、神経の治療が必要になることがあります。
全身状態によって上記のリスクは高くなるので基礎疾患のある方、大きな手術を過去にされた方は必ず歯科医師におしらせください。
歯の動揺・脱落、歯髄充血について
(1)歯の動揺・脱落
歯槽骨が薄い場合や、歯根を覆っている歯槽骨の垂直的な長さが短い場合、通常の強制力であっても動揺しすぎてしまうことがあります。
これに感染が加わると、歯が脱落する恐れがあります。
(2)歯髄充血、歯髄失活
歯への過度な外力(強すぎる強制力、歯ぎしり、食いしばりなど)で、その方向によっては一時的に歯の血流が途絶えることがあります。
この状態が継続すると歯の痛みの他に歯髄充血が引き起こされ歯冠の変色(ピンク色、褐色、灰色など)が認められることがあります。
また、さらにこの状態が続いてしまうと、歯髄が失活して歯冠も黒変することがあります。
痛みについて
(1)歯の移動による痛みの場合
通常3〜4日で自然に落ち着いて行きます。
顎(顎関節)に痛みが出ることがあります。
我慢できない程の痛みであればマウスピースを外して様子を見るか、鎮痛剤(治療開始時に内服を処方)を服用してください。
4日以上強い痛みが続く場合は、マウスピースの使用を中断して、クリニックへ連絡ください。
場合によっては無料で強制力を弱くしたマウスピースを再作製しお渡しします。
(2)歯肉による痛みの場合
A:歯肉炎、歯周炎
歯垢や歯石が原因の場合がほとんどです。適切なブラッシングによるクリーニングが必要です。
歯科医院での定期的(6ヶ月以内ごと)なクリーニングをお勧めします。
B:口内炎
装置が原因による口内炎の場合は装置の調整が必要となりますので、クリニックまでご連絡をお願いします。
ただし、すぐに受診できない場合は、貼り薬での対応をお願いします。
装置以外の原因で生じた口内炎の場合は、内科的疾患の可能性がございます。内科または皮膚科への受診をお勧めいたします。
歯を動かせる範囲と速度について
歯列や歯の動き方に個人差があるため、動かせる量には限界があります。
その人にとって早すぎる歯の移動も、歯根吸収、歯肉退縮のリスクを高めます。
次段階のマウスピースを医師の指示より早く装着しないでください。
装着時間と返金について
キレイライン 矯正は、1日20時間以上の装着が必須となります。
治療中のマウスピースを装着していない時間は少しずつ後戻りします。装着時間が短いと後戻りの発生する可能性が高くなりますので、必ず装着時間をお守りください。
患者様医師による中断や装着時間不足の後戻りが原因で治療計画の変更があった場合、別途費用が発生する可能性があります。
また、明らかにマウスピースを所定時間装着していないと思われる場合、矯正効果が得られないという理由による返金は受けられません。
噛み合わせについて
噛み合わせが強い場合、マウスピースの厚みによる歯の圧下が起こる場合があります。
拡大床併用の場合、歯のティッピング(外側への傾斜)が一時的に生じます。
コース終了後のリテーナー時期にリカバリーの治療を行います。
後戻りについて
治療完了後に歯の位置が移動する場合がございますが、治療終了時よりリテーナーを適切にご使用いただくことにより、後戻りを防ぐことができます。
契約するコースについて
治療の進み方には個人差があり、コンピュータによるシミュレーションとは異なります。
当初の計画通りに治療が進まない場合、治療計画を変更し、ステージ数の変更、またはあらたな矯正装置のご利用を進める場合があります。
逆にステージ数が少なくなることもあり、その場合は規定通りに返金いたします。
初回4回、7回のコース契約はあくまでも治療計画の目安とお得な契約コースという意味です。その回数で治療が完了することを確約するものではありません。
矯正装置の素材について
キレイライン矯正装置は、担当医師の指示に従って国内の歯科技工所で最終製造され、国内の歯科技工士が品質確認を行っています。
治療効果を高めるため医師の判断により海外で製造された最新の材料や加工物を使用することがあります。
日本の認可を受けた素材を選択することも可能です。ご希望の場合はその旨をお伝えください。
マウスピースの紛失について
マウスピースを紛失した場合は別途再製作料がかかります。再製作料はソフト、ハードそれぞれ片顎6,000円(税別)です。
撮影したデータについて
当院で撮影したレントゲン写真や口腔内写真などを含む記録が、KLマーケティング株式会社及び株式会社デンタルアシストに共有され、研究開発や広告(個人を特定できない状態のものに限る)用に使用される場合があります。
最後に
ここまでが私がサインした歯列矯正の同意書の内容です。
私がもらったのは文字だけの同意書で、少しでもわかりやすいように自分で少しイラスト入れたり説明をつけたりしてみました。
実際にこの説明を受けた時に、
そもそも全項目をもれなく説明してくれたわけじゃないので
(よくある後読んでおいて下さいパターン)
結構その場で時間かけて読むことになりました。
用語が難しくて(口腔内細菌叢とか読めないしw)
色々聞いて時間もかかりました。
歯列矯正そのものにこんなにリスクがあるって知らなかったのでちょっと怖じ気づいたのは事実です。笑
でもこのリスクをわかった上で、歯並びを直したいって思ったのでした。
実際に受診する病院で改めてリスク説明があると思いますし、その病院によっても考えるリスクは違う可能性もあると思うので、あくまで一例・参考としてくださいね。