ニキビは一度できてしまうと治すまでに時間がかかり、跡が残ってしまう場合もあります。
一番大事なのは日頃からスキンケアをし、ニキビができないように予防することです。
そこで今回はニキビの予防法をご紹介します。
1.洗顔で余分な皮脂をしっかり洗い流す
基本中の基本はやはり「洗顔」です。
余分な皮脂やメイク汚れは毎日しっかり洗い流しましょう。
ただし、必要な水分・油分までなくなってしまわないように洗いすぎには注意が必要です。
多くても1日2回程度にとどめましょう。
汚れを放置したり洗顔のしすぎによる刺激でおこる「角質肥厚」はニキビの原因になります。
角質肥厚(かくしつひこう)
皮膚が過剰な刺激を受けると肌のバリア機能も弱まり、肌は皮脂を分泌して補おうとします。過剰分泌した皮脂で毛穴がつまったり、本来剥がれ落ちるはず古い角質(アカ)が肌表面に蓄積したりすることで肌が厚くなってしまう状態のことです。
2.ニキビ予防の薬用化粧品を使う
ニキビ肌用の薬用化粧品(医薬部外品)を使ってみるのもおすすめです。
薬用化粧品(医薬部外品)とは、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されているものです。
ニキビ予防の医薬部外品には、
・ニキビ肌用の皮脂を抑える効果のある成分
・ニキビの炎症を抑える効果のある成分
・アクネ菌の殺菌や角層柔軟作用のある成分
などが含まれています。
薬用化粧品に使われるニキビ予防の有効成分
イオウ:殺菌、角層剥離・溶解
(皮脂吸収作用と殺菌作用、角層軟化作用があり古い角層をしっかり取り除く)
レゾルシン:殺菌、角層剥離・溶解
(アクネ菌殺菌、角層軟化、角層除去効果があり毛穴をキレイにする)
サリチル酸:殺菌、角層剥離・溶解
(アクネ菌殺菌、角層軟化作用があり、イボや魚の目除去でも使われる)
エストラジオール:皮脂抑制
(皮脂線の皮脂合成を抑制する)
グリチルリチン酸2K:抗炎症
(強力な消炎効果でニキビの炎症・赤みを抑える)
アラントイン:抗炎症
(消炎効果と細胞活性化の働きでニキビの炎症・赤みを抑える)
イソプロピルメチルフェノール:殺菌
(アクネ菌に加え背中ニキビの原因のマラセチア菌殺菌にも効果あり)
ベンザルコニウムクロリド(塩化ベンザルコニウム):殺菌
(強い殺菌力があり、洗い流すものに配合)
「ニキビ肌用」と言っても実は成分は様々です。成分表示をみて目的にあったものをぜひ使ってみてください。
3.ノンコメドジェニック化粧品を使う
ノンコメドジェニックとは、「ニキビのもとになりにくい」という意味です。
一般的な化粧品の中にはアクネ菌のエサになりやすい油性成分が入っていたり、肌を刺激してニキビを誘発してしまうものもあります。
ノンコメドジェニック化粧品はその点を意識して作られており、実際に人が化粧品を皮膚につけ白ニキビ(ニキビのもと)が一定基準で現れるかをテストし、クリアしています。
「ニキビができない」とか「改善する」といったものではありませんが、予防目的で使うには良いと思います。
4.ターンオーバーの乱れを正常にする
ターンオーバーとは肌の生まれ変わりのことです。
理想的な周期は28日間と言われています。
ターンオーバーの仕組み
新しくできた細胞が14日間かけて肌表面の角層に到達。
角層で14日間とどまり皮膚を保護するために働く。
役目が終わるとアカとなって剥がれ落ちる。
ターンオーバーは加齢により遅くなったり、紫外線や肌荒れ、洗顔のしすぎによって早まったりします。
ターンオーバーの周期が乱れると様々な肌トラブルに繋がるので注意が必要です。
遅くなると
古いアカが皮膚にずっと留まり角質肥厚を起こし、ニキビができたり、シミシワが目立ったり、くすみの原因になります。
早すぎると
細胞が急ピッチで作られるので、未成熟な状態になります。
ターンオーバーの過程で作られる天然保湿因子がちゃんと作られないため、細胞そのものが乾燥し、ハリ・弾力低下、毛穴目立ちの原因になります。
天然保湿因子
NMF(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター)
その名の通りお肌が作り出す天然の保湿成分。アミノ酸が主な成分。健康なお肌は、NMFのおかげでしっとりと保湿された状態を保つことができる。
早すぎる分にはよいのでは?と思いがちですが、そうでもないのです。
ターンオーバーを正常に戻すには、睡眠や食生活を含めた生活習慣の乱れを正すこと、そして肌をしっかり保湿し紫外線や摩擦で皮膚を刺激しないこと、適切な洗顔で余分な角層を溜めないようにすることが大切です。
5.しっかり睡眠をとる
睡眠不足になると免疫力が低下します。
免疫力が低下するとニキビがでやすくなります。
さらに不規則な睡眠はホルモンバランスを乱す原因にもなるため、ニキビが悪化しやすくなります。
お肌は睡眠中に活発に細胞分裂を行うため、お肌を健やかに生まれ変わらせるためには睡眠が必要不可欠なのです。
スキンケアも大事ですが、まずは規則正しい生活にしていくことも大事です。
6.サプリメントを飲む
ビタミン系のサプリメントを飲むこともおすすめです。
ビタミンB2(脂質の代謝)とビタミンB6(脂肪分解コントロール)が不足するとニキビができやすくなりますし、ビタミンAやβカロチンはニキビの炎症を防いでくれます。
食事で予防効果のある成分を十分に摂取できれば良いのですが、なかなか難しいのでサプリメントを活用するのがおすすめです。
7.便秘を避ける
便秘は肌荒れに大きく関わります。
便秘をすると腸内で便が腐敗し、悪玉菌が増殖します。
腐敗した便や悪玉菌からは体に有害なガスが発生し、腸内から吸収され全身を循環します。
そのため、便秘をすると肌にも影響があると言われています。
なるべく便秘をしないように適度な水分と食物繊維を摂取したり、腹筋運動をするのもおすすめします。
それでもニキビができてしまったら
どんなに予防をしていてもニキビができるときはできます。
そんなときは、皮膚科にいくのをおすすめします。
ニキビひとつで?と思うかもしれませんが、間違った対処法で跡が残ってしまったり悪化してしまったりすることもあります。
SNS状の不確かな情報に惑わされず、正しい知識を身につけ、きちんと皮膚科で治療を始めるのが早く良くなる一番の方法だと思っています。